神戸美容室sur 徳島で阿波藍染め体験を通じて感じたインディゴ染料の奥深さと文化の継承

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徳島で阿波藍染め体験を通じて感じたインディゴ染料の奥深さと文化の継承

夏休みということもあり徳島に藍染体験をしに行ってきました。

子供たちには体験を・・

私はインド産の藍を扱う立場であるので

日本の古来からの伝統藍染めの知識を

しっかりと勉強して

今後の天然染料の可能性を模索しにいった形です。

まず初めに・・この選択は正解だった。

というよりも満足度が大変と高い体験でした。

私の仕事に直結する内容であるから

食い入るように見て聞いて

こんな素晴らしい文化が廃れていくのは・・

黙っていられないとさえ感じてしまったし

何なら神戸中心に藍染の再燃をしたいとさえ思ってしまう。

STUDIO N2 藍染め

そしてですね大いに共感した部分として

このスタジオN2さんともう一つ候補があったんですけど

この二つは革新的なんですよ。

スタジオN2さんはイタリアファッションを学び

伝統的な染めの技術をファッションとリンクできないかと考えて

工房を立ち上げられたそうです。

もうねこの工房の雰囲気が大好きすぎる。

古民家をリノベーションして

最高の空間であり綺麗し女性も大好きだと思いますよ。

でも古民家だから昭和の良さも残っているんですよ。

藍染め体験 徳島

猫を飼っておられるんですけど

洗礼された空間なのに

猫と外の風景を合わせると昭和の温かさがあるんですよ。

こういった時代を超えた価値を共有する上で大切なことは

ジャンルの垣根を超えるクロスオーバーなんです。

それができてこそ今の時代の価値観にリンクさせられる。

伝統的な文化の継承は進化が必要で

どんなに上質なプロダクトであろうが

それを認知してもらうには

新しい価値提供ができる存在が絶対に必要です。

徳島の阿波藍に触れて

そういった新しい力を感じる

これはワクワクを超えて希望の光しか見えなかったのです。

ここのお姉さんの説明がとても上手。

 

ロジカル思考の方でとてもお話し上手で

ケミカルにも詳しい。

PH値だとか藍の染まりが空気酸化と水酸化であるだとか

一般の方なら眠くなる話こそ宝の宝庫だった。

藍染めで染め上げた商品を羽織って肌で感じたことは

このような色合いは合成染料では絶対に出せない!

奥深さである。見る場所によって表情を変える。

ある時は鮮明なブルー

ある時はグレー

ある時は紺

ある時は紫

一気に魅了されてしまった。

代々受け継がれて言う職人作業の染め技術の大変さやその奥深さ。

なんでこんなことを今まで知らなかったのだろうとさえ感じてしまう。

合成染料の発達によりすっかり影を潜めた天然染料。

これこそが日本の強みであり

こういった伝統文化の継承こそ

今後の日本のためには絶対に必要である!

体験するまでは藍染めの衣類を見ては

高すぎる!とさえ思っていたが

これだけのことを見せられると

安いというかきっと大切に使うだろうし

愛着も沸くだろうなとも感じた。

そして本当に環境に優しい染料なので

自然を汚さない!これこそがSDGsなんではないだろうか?

見せかけだけのパフォーマンスで

単なる経済活動の一環のEVとAI社会なんてごめんだ。

だからこそ伝統的な文化を次の世代に繋いでいかないとならない。

そして私は思う・・

あの綺麗なブルーを髪の上で表現できないだろうか?

髪で使う藍だともう少しグレーっぽい感じだからだ。

あの鮮明なブルーをもし髪の上で表現できれば

これはもっと需要は増えそうです。

たくさんのヒントを頂けたので

これから研究を重ねていきたいこと。

藍文化の継承をしている私の同世代の徳島で活動されている

レキさんとアポを取り今後の可能性について

模索していこう。という前向きな気持ちにもなれた。

とにかく藍の美容への活用方法を

再構築する必要性がある。それくらい可能性を秘めた藍。

歴史を語られた際に感じた違和感!

結局藍文化が廃れてしまった原因は戦後!

そう悪名高きGHQの改定である。

ここでもか・・と思ってしまったのだが

今の弱体化した日本になってしまった正体がGHQであるからだ。

食料生産を最優先したため食料以外の作物の栽培を禁止にしたのだ。

原料になる蓼藍という植物は1年草のため

種を残し撒いて育てないと絶滅する。

徳島の農村地帯で隠れて栽培していたからこそ

今現在も藍文化は残っているのだ。

これ今の日本の現状そのままの問題とも言える。

現在はその対象が農作物で農家さんが手塩にかけて

育てた古来から続く野菜の苗から自家採種してずっと育ててきたにも関わらず

現在は自家採種禁止!

でもこれを深堀するとどうやら固定種の野菜を育てたり

販売したりしてはいけないとは違うようでした。

諸外国にブランド品流出を防ぐという名目のようですが

今後はどうなるのかは分かりません。

今日はそんな魅力的な藍を深堀していきます。

藍染めとは何?

「藍染」とは、日本の伝統的な染色技法の一つで、天然の藍を使って布を染める方法

  1. 歴史: 藍染は古いから日本に伝わる技法で、古墳時代から続く長い歴史があります。藍染の技法は各地で独自に発展し、日本全国に多くの藍染の産地があります。
  2. 材料: 藍染に使用される「藍」とは、植物の種類であり、この藍から得られる色素を使用して布を染めます。日本で主に用いられる藍の種類には、「真藍」や「野藍」などもあります。
  3. 特色: 藍染の色は落ち着いた青で、長い間洗濯しても落ち色しにくい、夏には涼しげな印象を大切にするため、浴衣や夏の着物などにも使われます。抗菌・消臭効果もあるといわれており、夏の暑ささや湿気を防ぐ効果があります。
  4. 製法: 藍染の過程は手間がかかり、布を何度も藍の液に浸けることで徐々に色をつけていきます。このため、深い色を出すためには多くの時間と手間がかかります。
  5. 現代の藍染: 現代でも新しい、日本国内で藍染のアイテムは人気があり、伝統的な技法を守りながらデザインやアイテムの開発が行われています。

藍の主要産地は徳島!それ以外の代表産地

日本国内の藍の産地としては、徳島県が最も有名ですが、他にもいくつかの地域が藍の栽培や藍染めの伝統を持っています。

  1. 岡山県:特に倉敷市の周辺で、藍染めの伝統があります。 倉敷は古いから織物の町として知られ、藍染めの技法も継承されています。
  2. 福岡県:特に筑後地域での藍染めの伝統があり、現代でも藍染の技法や文化が継承されています。
  3. 栃木県:特に小山市周辺で、藍染めの伝統があります。小山藍として知られるこの地域の藍染めは、古いからの歴史を持っています。
  4. 愛媛県:四国地方の中でも、愛媛県にも藍染の伝統があります。 特に新居浜市や今治市などでの藍染めの技法や文化が継承されています。

 

阿波藍の特徴

阿波藍 灰汁 

これは・・私が扱うインディゴと全く同じ色だ。

20分ほど放置して酸化したあとのあの色。

でも想像以上に発酵臭がするのである。

子供たちはおえーとかいってましたけど

私はなんだかどこかで嗅いだことある!

それがなんと我が家なんです。

我が家の外壁、内壁は全部天然の漆喰なんですけど

漆喰が乾ききるまでの香りと瓜二つなんですよ。

貝灰 漆喰 藍染

 

それもそのはず!貝灰と灰汁でPHを上げていたのだから

ふすま 藍染

そこにふすまも加えてこの染料液は微生物の宝庫で

熟成して生きているんだ!ってことがよく分かりました。

阿波藍(あわあい)は、徳島県を中心とした地域で栽培される藍を向き、

特に徳島県の藍は「阿波藍」として全国的に有名です。は日本の藍の産地として非常によく知られており、特に上記のように上勝町や藍住町などが中心となっております。

阿波藍は「真藍」として知られる種を中心に栽培され、その高品質な染料としての価値から、伝統的な藍染めの文化を今に伝えています。

阿波藍での藍染めの方法、特に灰汁を用いてアルカリ性としたり、すくもを使って微生物の発酵を促進する技法は、

徳島県の特色ある方法として知られていますが、これは日本全体の藍染めの基本的な方法としても広く用いられています。

藍染めの過程において、藍の葉から色素を抽出し、その後の微生物による発酵を経て染料をする作成方法は、日本各地の藍染めに共通する基本的な手法です。て発酵を促進するのは、藍染めにおける一般的な方法の一つです。

しかし、各地域や職人ごとに、微妙な技法や秘伝の方法が存在するため、阿波藍独自の特色や風味もあると言えます。 特に徳島県の阿波藍は、長い歴史と伝統を持ち、高い品質と独特の色合いで知られています。

先に、灰汁も簡単に使った藍染めの方法は日本全体での基本的な方法ですが、阿波藍にはその独自の文化や技法も存在します。

藍染め文化が廃れた本当の原因

戦前は藍染めの需要が非常に高く、藍の栽培も盛んであった!しかし戦後GHQの指導のもと、食料生産を最優先する政策がとられ、

食料以外の作物の生産が制限されるなどの影響で、藍の栽培が大幅に減少しました。この結果日本の藍文化や技術も一時的に衰退する要因となりました。

また、20世紀に入って、合成藍やタール系色素などの化学染料が登場しました。これらの化学染料は、生産コストが低く、生産量も多いため、

従来の天然の藍染料よりも利用が広がった、その結果、伝統的な藍染めを行っている場所や職人は減少。

しかし、最近では、合成染料にはない​​本物の藍染めの風合いや色の深み、天然素材の柔らかさや独特の風味を求める人が増えてきました。

そのため、藍染の伝統や技術を守り続ける動きも強まっています。

阿波藍に使われる植物は蓼藍

蓼藍

丁寧に葉っぱだけを取りその部分だけが染料になる

  1. 学名: Persicaria tinctoria
  2. 分布:主にアジアに分布し、日本だけでなく、韓国や中国などでも伝統的に栽培されています。
  3. 見た目:蓼藍は一年草で、高さは1〜1.5mほどに成長します。葉は矢のような形をしており、夏から秋にかけて白い小花を咲かせます。
  4. 染料の成分:蓼藍の葉にはインジゴという成分が含まれており、これが布を青く染める主要な成分となります。
  5. 収穫と利用:夏から秋にかけての収穫夏が最も良いとされています。 収穫した蓼藍の葉は、発酵させて染料とすることが一般的です。
  6. 色合い: 蓼藍で染められた布は、化学染料とは異なる温かみのある青色となり、その色の美しさや風合いが評価されています。
  7. 環境への影響: 天然の染料として、蓼藍は環境に優しいとされています。また、染める過程での廃液や廃棄物も環境への影響が少ないと言われています。
  8. 健康への影響: 蓼藍は肌に優しいとされ、アトピーや敏感肌の人でも安心して使用できるとされています。

天然藍と合成藍は構造は同じでも身体や環境に与える影響は別物!タール色素の存在で一変する

本藍(天然藍)から得られる色素の主成分はインジゴで、分子式はC16H10N2O2です。インジゴは古くから使用されている天然の青色染料です。

合成藍として知らされるのは、19世紀の終わり頃に化学的に合成されるようになったインジゴのことを向きます。この合成インジゴの分子構造は天然のインジゴと同じです。

タール系色素は、石炭タールから得られる有機化合物を元にした合成色素の総称です。この中にはインジゴとは異なる構造を持つ色素も多く含まれています。

分子構造は同じですが身体や環境への作用は別物である。

天然藍(本藍)と合成藍の分子構造が同じであるがその生産・利用プロセスや環境への影響、人体への影響は異なる場合があります。 :

  1. 生産過程:天然藍の生産は、植物の栽培これには土地や水、そして時間が必要です。合成藍の製造は化学的な過程を伴うため、そのプロセスでの化学物質の使用や排出が問題となる場合がございます。
  2. 環境への影響:天然藍の生産は、正しく行われれば環境への影響はありません。一方、合成藍の製造では、使用される化学物質や排出物によっては環境への負荷が大きくなることが考えられます。
  3. 人体への影響:天然藍は、古くから使用されてきた安全性の高い染料として知られています。一方、合成藍も基本的には安全性が確認されているもの、生産過程での化学物質の残留や不純物の存在が肌荒れの原因になる可能性があります。
  4. その他の注意点:天然藍には、微生物による発酵などのプロセスが得られる独特の風合いや、手触り、肌への優しさの特性があります。合成藍などは、一貫した品質や色の再現性が高いという事情があります。

これらの制約を考慮すると、天然藍と合成藍を単純に「同じ」と考えるのは難しいと言えます。

選択をする際には、自分の価値観やニーズ、環境への配慮などを基に判断するすることが重要です。

これは天然染料であるヘナやインディゴと化学染料であるジアミン染料。

この関係性にとても似ていますね。

天然藍とインド藍は全く同じもの?

誰も教えてくれないインディゴヘナ!二度染めする必要がない理由

天然藍とインド藍は、どちらもインジゴという青色色素を主成分として含むもの、原料や起源が異なるため、全く同じものとは言えません。

  1. 原料
    • 天然藍:日本において、天然藍は主に蓼藍(たであい)という植物から抽出される色素を嗅ぎます。
    • インド藍:インド藍はインジゴフェラ属の植物、特にインジゴフェラ・ティンクトリアから抽出される色素を嗅ぎます。この植物はインドや他の熱帯・亜熱帯地域で栽培されています。
  2. 起源・分布
    • 天然藍:日本や中国などの地域のアジアでの藍染めの伝統に基づくもので、日本においては古いからの伝統的な染料として使用されてきました。
    • インド藍:名前の通り、インドをはじめとする熱帯・亜熱帯地域での藍染めの伝統に基づくものです。インド藍はヨーロッパやアフリカなど、世界中で広く用いられてきました。
  3. 色調・特性
    • それぞれの地域や抽出方法、染める技法によって、天然藍とインド藍の色調や風合いには微妙な違いが存在します。

総じて、天然藍とインド藍はインジゴを主成分としてはいるもの、起源や原料、そして伝統的な利用方法が異なるため、全く同じものとは言えません。

地産地消という言葉があるようにやはり日本人には日本のものが身体に馴染む。

ヘナもインドと沖縄産ではその仕上がり感が違うように

藍も同じだと思う。インディゴも沖縄産を取り扱い始めましたが

その性質はインドのインディゴとは全くの別物であると体感しています。

藍染は何度も水酸化と空気酸化

藍染めとインディゴヘナ

何度もこの工程を繰り返して好みの色合いに仕上げる。

インディゴで染めた場合よーく濡らしてください!

口を酸っぱくして言っているのは酸化促進のためです。

この工程をしなければ発色は進まないのです。

染物としてのブルーはとても綺麗なんだけど

今現時点でこれをこのまま髪の染色に利用できるかと言うと

正直微妙なところです。

この方法では毛髪のダメージが気になるので

方法を模索中であるものの

かなり収穫が多かったですね。

この蓼藍を使って髪染めもできるはずですし

藍色をうまく髪で表現されているお客様の担当をしているので

もっとこれがヘナのように一般的になってもいいなと。

その方の雰囲気もあるけどヘナよりも断然お洒落で粋なカラーなんです。

イタリアやフランスなどのEU主体のファッションセンスがお好みならば

ヘナよりも藍カラーはきっとマッチすると思います。

今後も藍の可能性と広めていこう。

そしてまずは多くの方に体験してもらいたいですね。

スタジオN2さんは鳴門にあるので

神戸からでも1時間ちょっとで行けてしまうので

めっちゃ近いんですよ!

日本古来の素晴らしい技術と機能性を

ぜひ体感しに行ってみてください。

体験した自分の作品は微妙でしたw

スタジオN2 鳴門 藍染め

染めない箇所を意図的に作ることで

その可能性無限大!完全にセンスを問われます。

私はY3のような3本lineを出したかったんだけど

全然うまくいきませんでした。

家族のは素晴らしいアートになっていた。

体験することで職人の凄さがより一段と体感できます。

新しくはないけど新しい発見というか

もっと大きく言ってしまうと

今後の美容人生において

1つの方向性と言うか

そんなものがチラチラ見えた。

何を発信して何をやりたくて

何を表現したくて

美容師になったのだろうか?

藍という一つの文化が

私の中に眠る日本人としての

アイデンティティが姿を現してきたかのようだ。

これが藍の真の魅力なのかもしれない。