香料の深い話。天然香料と合成香料と脳を覚醒させる香りの秘密
2022年06月24日
急遽容器が欲しくなり
頼れるのはダイソー!
この界隈22時までのところは
阪急オアシスが入るタワーマンション2階のダイソー
スギ薬局と繋がっているところ。
久しぶりにあの界隈を通ったのだが・・
サンパルの営業終了で飲食店撤退しているし
前にはホテルもできているし
大きめの薬局も新しく入ったし
三宮で仕事しているのに
家と店の往復しかほぼしておらず
567で大きく変わったのを目の当たりしながら
大衆酒場は満員の人を横目に見ながら
なんというか住む世界が違うなという
何とも言えない気持ちになった。
今日は香料の話。
私はシャンプー開発を手掛けており
その香りについても自分で様々な調合を試して
今現在のユーカリレモン濃度、ラベンダーゼラニウムになった。
調香師という職人がいるように香りとは本来とてつもなく深いものです。
今日はそんな香料を深堀します。
そもそも香料の誕生は3000年以上前
花や木々、果実の香り、目に見えないながら確かな存在である
香りに神々への道を見いだした。
原始社会を生き抜くうえで、あらゆる危険から身を守り
食料の確保、病気の予防など神に祈り、髪のご加護によって
日々生活をしていたのです。
人々は香木、香料を焚き、
天に向かって立ち上る煙に神々への感謝と願いを託した。
神々への対話の方法!これが香料の起源です。
旧約聖書にもこんな記載がある。
まず香を捧げる祭壇を作り
乳香を焚き、没薬、肉桂、桂皮、菖蒲
ここにオリーブオイルを加えて
聖なるそそぎ油をつくりなさい。
これが香料を作る上の最も古い記録。
聖なるそそぎ油を祭祀用具、聖職者の身体に塗って清める。
本来香りとはこのような神聖な儀式のためのものであったのが分かります。
古代ローマでは奴隷をしたがえ、香水風呂に通っていたとされる。
ギリシア神話ではバラは愛の女神の花。
バラの香料は今日でもとっても高いです。
私もダマスクローズの香りは好きなので使いたかったのだが
1kg100万円OVERなので断念しました。
バラの合成香料なんてバラの何とも言えない気品のある香りとは
かけ離れている。
イスラム教においてもアラビアンナイトの香りというものがあり
聖典であるコーランにおいては
香りの水で体を清めなければならない。
その時に使われていたのがバラ水であり
10世紀頃には水蒸気蒸留法の発明によって
よりバラの芳しい香りを作ることが可能になる。
バラの花を水蒸気で熱し
冷却してエッセンスのみを取り出すという
画期的な方法である。
若さと美しさが蘇る水
それが香水の始まりである。
14世紀にハンガリー女王に捧げられた
ハンガリー水
ローズマリーをアルコールに溶かして作られたもの。
オーデコロンの元祖と言われている。
女王はこれを洗顔や入浴に使ったことで
若さと美しさを取り戻し
ポーランド王から求婚されたと伝えられている。
女王はこの時すでに70歳を超えていたとされている・・
15世紀のヨーロッパでは香料が宝物であり
特に肉桂、麝香は貴重品であった。
15世紀のイタリアでは女性のふくよかな柔らかい曲線を
自慢するようになり
香りの好みも穏かな花の香りから
シベットや麝香など動物性の強い香りが好まれていた。
17世紀のヨーロッパでは
バラやスミレの淡い香りが好まれるようになる。
入浴の習慣が広まったことにより
強い香りで体臭を隠す必要がなくなったため。
18世紀にはパリで香水店が誕生しますが
依然として香水は
貴族や特権階級だけのものでした。
19世紀に入り、化学が発達して
香りを人工的に作ることができるようになる。
ここから人工の香水が誕生したということ。
とっても歴史がある香りですが
やはりヨーロッパが強い。
その証明として
ヨーロッパでは子供のころから香りと上手に付き合っている。
子供たちはお風呂から上がると母親に
オーデコロンでマッサージをしてもらう。
年頃の娘は自分の香りを持つことで
大人の仲間入りをするのです。
家庭では四季折々の花やハーブを飾り
香りに包まれた生活を楽しんでいる。
香料の歴史はとても深い。
天然香料は神聖なるものであり
身を清め、神と繋がるツールとしての香であったのだ。
香りの儀式には髪の手入れも必要であろう。
神と髪。頭髪は最も身体の高い位置にあり
ここが乱れているといい気は入ってこないでしょう。
一方で人工香料は自分の香りを纏うことで
魅力を引き立てるツールとしての使い方である。
天然香料は長持ちはしないので
人工香料は身体につける香水向きと言えるでしょう。
香りは鼻から吸って脳の深くまでいく。
知らずと脳に記憶される。
これがふとした時にその香りを嗅いだ時に
当時の記憶が蘇ってくるのだ。
好きだったあの子の香り。
高級ホテルのロビーの香り。
いい香りだけではない。
歯医者さん特有の香り。
これは子供の頃に嗅ぐと
例えば虫歯治療で通っていたとするのならば
痛い記憶が蘇ってくる。
このように香りとは人を印象付けする上でも
非常に大切なものだと分かる。
好きな香りを纏うことは
あなたの魅力を引き立てる。
ここからまた天然香料の話を加えると
またまたすごい長文になるので
今回はこのあたりで一旦区切ります。
私が頑なに天然香料でケア剤たちを何故作ったのか?
これは天然植物成分のみがもつ
身体と心への作用を考えたからである。
このあたりは次にします。
それではまた!